2014年

3月

07日

坊ちゃん劇場 2014年4/11〜8/中旬 『道後湯の里』

渡辺輝世美・鷲見亮 出演!!

坊っちゃん劇場の新作 ジェームス氏、伊佐庭如矢を主人公に

 ■「凡人のどえらい物語」

 国指定重要文化財の道後温泉本館(松山市)が今年4月、改築120周年を迎える。これを記念し、愛媛県東温市の「坊っちゃん劇場」で、本館を改築した旧道後湯之町の初代町長、伊佐庭如矢(いさにわ・ゆきや)を主人公としたミュージカル「道後湯の里」が上演される。新たに脚本を書き下ろすジェームス三木氏は、「伊佐庭如矢は偉大な凡人」と話す。

 伊佐庭は、江戸時代の文政11(1828)年、松山藩の町医者の子として生まれる。維新後に同県の官吏、中学校長などを経て、明治23年に道後湯之町の初代町長に就任した。老築化した道後温泉本館の改築や観光開発に尽力し、道後・松山観光の功労者として顕彰されている。

 しかし、ジェームス氏は伊佐庭について「実家で医者にはなれず、下っ端の役人から一歩ずつ階段を上がり、故郷で町長になったときは還暦を過ぎた62歳。当時の62歳ですから、老いぼれです」と厳しい。本館改築についても、「町民の評判は決して良くなく、町民が地元の寺院に立てこもって反対運動を起こしたほどです」と説明する。

 それでも伊佐庭は本館改築に踏み切った。「結局、当時13万円という途方もない改築費は、町民の土地を担保に借金した。今でこそ本館は有名ですが、当時は町中が頑張らなければ、みんな倒れてしまうという危機感を背負っていたのです」

 物語は伊佐庭の夫婦愛に加え、伊佐庭家に転がり込んできた教え子と明治維新で芸者となった武家の娘の恋愛が両輪となり、文明開化の道後を舞台に展開していく。

 ジェームス氏は「伊佐庭は決して特別な人じゃない。実にありふれた凡人」と前置きした上で、「凡人がどえらいことをやってしまったというストーリーにしたい。元気が出る老夫婦の挑戦と人の情けのありがたさ、切ない恋をたっぷりと描き込みます」と力を込めた。

 上演は4~8月中旬まで約120回を予定。問い合わせは同劇場(089・955・1174)。